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2014/03/10

「術式」について

 「術式」を作りたかったのは、英語の教員免許状(英語教師ではない)を持っている人の9割以上が英語を教えるのに、最大公約数的なものがあった方がいいとこの頃、思うようになってきたことがその理由です。

 「術式」としてたどり着いたのは、「語順」でした。これは学生時代にヒントをもらったもので、この原形は『高校これで分かる基礎英語』(文英堂2003)の文型で自分なりに改良をして取り入れました。
 文型で例に出す単純なセンテンスだけであれば、同書のみの学習で問題はありません。ところが、英文はそんな単純なものばかりではありません。I like dogs.のような単純なセンテンスなど、極めて少数しかありません。
 では、「複雑な文」とはなんなのかと考えてみると、名詞句が長いケースが少なくありません。名詞句が長くなるのは次の通りです。

  • 形容詞+名詞、名詞+名詞、所有格+名詞、分詞の形容詞的用法、関係詞、to不定詞の形容詞的用法、「前置詞句」の後置修飾、to不定詞、動名詞、andで名詞をつなげる、A of Bなど

 そのため、1の文は文型も、意味も分かるのに、2は???となってしまう生徒が多くいます。

  1. The computer is expensive.
  2. The computer which my brother uses is very expensive.

 語順も大切だけど、その前に名詞句という概念の理解が私は必要だと思うようになりました。主語や目的語に使われる名詞句の頻度は高いですから。その名詞句を□でくくることによって、それを意識させます。そのため、形容詞+名詞の場合や、分子の形容詞的用法、関係詞、to不定詞の形容詞的用法など、名詞を飾り名詞句を作り上げるものには、全て□でくくらせます。中学校2年生までは 【the(a) 名詞】も□でくくるほうがいい。

中学校1年生レベルであれば、□は次の6パターンを最初に提示すると、□を作りやすいようです。

  1. a/the から始まる
  2. this / that 名詞 
  3. many / some / a lot of / any などから始まる
  4. my / your / his / her / their / A's などの所有格から始まる
  5. A of B
  6. 名詞 ( 前置詞 + 名詞)  (the bird in the cage)

 次に前置詞句は(   )でくくります。

  • How do you say your name in English.
  • How do you say 【your name】 (in English). (□の変わりに【 】と表示)
  • In many Western countries, the given name comes before the family name.
  • (In 【many Western countries】,) 【the given name】 comes (before the family name).

これができたら、語順シートに当てはめていきます。「分からなくなったらⅣ」「前置詞が出てきたらⅣ」。これだけ教えて、まずは当てはめてみます。文にはSVが必ず必要だということも、分かるようになってきます。(もちろん、命令形は違いますが)

その上で、文には次の2種類があることを、帰納的に納得させます。

  1. SがVする(1345文型)
  2. A is B. は 「A=B」

こうしていくと、生徒はパズル感覚で、当てはめるようになり、理解が深まってきます。それから、音読をしたり、書いたり、パターンプラクティスをしたり、いろいろとできますよね。

 その後は、今回の「連載」のように、動詞の部分をどう膨らましていくか、名詞の部分をどう膨らましていくか、という観点で教えつつ、生徒が当てはめていくというのが、提案している「術式」です。

(追記)

 □などのマーク付けと、語順シートには、別々の目的があります。
(マーク付けの目的)

  • 学習する文法項目を別々に捉えるのではなく、全体の一部として捉える。例えば、何度も繰り返しているように、後置修飾として捉えれば、関係詞も分詞も同じ仲間として捕らえられる。それをマーク付けすることにより、長い英文も長くなく感じられる。

(語順シートの目的)

  • 語順を意識させることで、英文の理解を促す
  • 名詞のグループがひとまとまりだということを理解させる
  • 学習している文法が、語順のどこで使われているのかを意識させる

例えば、「受身」を学習しても、それだけを取り上げていたら、認知レベルは低い可能性が高いと思います。でも、語順シートの中に組み込むことにより、be+過去分詞は動詞のグループなのだということを、視覚で確認できます。もちろん、語順シートなど使わなくても、意識できる学習者もいるでしょうてあが、英語に対して苦手意識を持っている学習者は、学んでいる文法部分が、全体の中でどのように使われているのかがよく分かっていません。

「学習すれば分かるようになる」と私は今まで生徒に伝えてきました。「音読や筆写を通じて、自然と分かるようになってくる」といってきました。では、いったい何が「自然と分かるようになる」のだろうか。その「分かる」というのは、名詞句がひとつのまとまりとして意識できるようになることだったり、語順だったりするのではないかな、という結論になりました。いまのところは、ですが。

 教師として、私は生徒の家庭の経済力と、学力との相関性が強いことに、やるせない気持ちがあります。だから今回は、自分たちで学習できるように、そして分からなければ学校の先生に尋ねられるように、そして学校の先生が生徒に「教える」のではなく、「自分たちだけで学習できるように」させることで負担を減らせるように、そして教えるノウハウのスキルが低い若い先生に、議論のベースとなるものが提案できるように、というような思いで、今回の連載をしています。はっきりいえば、学問的なものではありません、まぁ、いつものことですけど(笑)

さて、教科書の学習ももうすぐ2年生が終わります。この連休に完成させます。

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