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2013/10/21

広島から戻りました

広島大学でお話しが終了。3年目ということもあり、毎年、いちばん自分が感じていることを話題にしているので、かなり緊張しながら、自分を試みるいい機会でもありました。こういう機会を下さった柳瀬先生に心から感謝。そして、真剣に耳を傾けて下さった広島大学の学生さんやK先生にも感謝。

今回のテーマは、「教育」と「クローズアップされている学校の目標」でした。「教育」の目的の大きなひとつに、「学力の向上」があります。これは当然のこと。しかし、その「学力の向上」の先にある「クローズアップされている学校の目標」に、「大学合格実績」が位置してしまうと、本来の「教育」の目的と変わってきてしまうのではないか、ということでした。

  • 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。(教育基本法1条、教育の目的)

ここには、「国立大学○○名合格」なんていう数値目標や、大学合格実績という文言は出てきません。教育とは、子どもを大人にし、この社会を作り上げていけるような、すてきな心を持った人々を多くしようではありませんか!ということと、私は勝手に理解しています。

もちろん、有名中学→有名高校→有名大学→一流企業・キャリア官僚など、という「方程式」の先に、この目的の達成があるのであれば、それは目指すのが当然となるでしょう。でも、こんな方程式はありませんよね。

ここが難しいところです。

その一方、予備校や塾、そして一部の私立高校(一部が大きいか少ないかは分かりませんが)では、合格実績が経営に直結してきますから、きれい事ではうまくいかない。従業員や教員、その家族の生活がかかっているのですから、きれい事だけで話しは進まない。それは当然のことです。自分たちの教育の理念を捨て去らずに、でも進学実績をPRすることは納得できます。しかし、教育の理念がどこかにいってしまい、進学実績をあげることを、教育の理念のように前面に出すかどうかで、予備校・塾と私立学校との間には差があるのでしょう。(一部の私立学校や公立学校でも、この意味での予備校化が始まっていることは嘆かわしい)

もちろん、先ほどの方程式に対する疑問は「持てる者の疑問」という批判があることは重々承知の上です。ただ私は「何を持つか」ということを疑問に持っており、そのことを「持つ」ことにより、人生が豊かになれることと直結するわけではないのに、どうして学生時代という貴重な時間を、「それを持つこと」を至上命題にするのだろうか、という疑問を呈しただけです。

また、受験といっても、大学に行かない高校生は約半分もおります。受験至上主義になってしまうと、その半分の高校生の英語教育の目的は何になるというのか。受験する人の目的と、しない人の目的とでは違っていいのですか? これは、教育基本法の「教育の目的」と、受験至上主義の目的とは相容れないということなんです。誰しもが学ぶことを楽しめるような世の中が私は理想だと思うんですけどね。

そう考えると、今のクラスサイズは本当に大きすぎる。全員の生徒を勇気づけることはできなくても、勇気づけられるような「中間層」をどれだけ拡げていくかが、私は教師の技術だと思います。その技術は授業の中で完結するものではなく、授業外での行動も大切になってきます。ただ、その「授業外での行動」については、全く研修がない。自分の感性であったり、同僚を手本としたり、自分の経験であったりと、試行錯誤をしながら見つけるしかない。その上、方法論も数値もないわけです。(その先生のオーラに表れるというと、エビデンスドベース主義者は笑うだろうが、そんな主義者は人間を知らないよな、うん)

そのオーラとは、教師としての哲学を持った人が内面からにじみ出てくるものです。ホントににじみ出てくるんだよなぁ。一方、授業の方法論に焦点をおいている人は、「技術者としてのオーラ」はあるけれど、「教育者としてのオーラ」は私には感じられない。もちろん、この両者のハイブリッドであればいちばんなのでしょうが、なかなか難しいですよね。

広島大学での講演で使った資料を添付します。見直してみると、手直しがまだまだ必要ですが、手直しをしていません。

「2013.ppt」をダウンロード

今年も、懇親会ではお世話になりました。幹事をして下さったM君、おじさんの話に付き合ってくれたS子さん、天然さんや右となりにいた男子学生(名前を聞いていませんでした・・・)をはじめとする学生の皆さん、そして今年もお世話になったK葉先生と楽しい時間を過ごすこともできました。

ちなみに翌日は行きたかった錦帯橋。錦帯橋って広島県にあるとばかり思っていました(苦笑)

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