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2013/10/14

「術式」を作りたい

久しぶりのブログです。

昨日は、ちょっとした縁で、塾関係のセミナーに参加してきました。ふたつの基調講演は時間を忘れさせるほどのすばらしいものでした。
ひとつ目の講演はリーダー論。「何をいったかではなく、相手に何が伝わったか」 これは私も気をつけるようにしています。「しっかりといったのに、つたわっていない」とは職員室でよく出る話題かもしれませんが、伝わっていないなら、それは自分のピースと相手のピースとがマッチしていなかった証拠でしょう。相手のピースに合わせる必要があります。
もうひとつは、「私が実現したいことは何か」を常に考えているということ。忙しいと、「私がしなければいけないこと」に忙殺されてしまいますが、自分が実現したいことを意識して行動していくことが大切ですね。


もうひとつは、The Body Shopを再生させた岩田松雄さんの講演。The Body Shopの「事業を通じて、社会を変革していく」という理念に基づいた経営、そのためにはウソをついたり、不安を煽るのではなく、正直に、誠実に行動していくことが生み出したThe Body Shopのブランド力のお話しにも引き込まれました。内側からにじみ出てくる理念をベースとした経営は大切なのですね。私がここにまとめるより、岩田氏の著書をぜひともご一読を!教師にとっても同じことで、内側からにじみ出てくる理念=教師としての哲学がなければ、薄っぺらいわけです。学んだり、行動したり、真剣に向き合うことではじめて、内側から哲学が生まれてきます。若い先生には、教師は自分の生き方が「栄養」になり、自分の体を作り出していくことを忘れないで欲しいな。学ぶことは大切だけど、純粋培養じゃだめだってことです。


その他、ベネッセの幼児英語教育もおもしろそう。懇親会で担当者の方にお話を伺うと、年齢別のcan-doリストや指導案まであると聞き、びっくり。確かに、専門的な講師が少ない中、子どもがはじめて英語に触れるときに、いいわけ的に講習を受けるだけではなく、マニュアル化することにより、「質の均質性」をとろうとしているのですね。おそらく、講師もなれてくれば、自分なりの方法が、指導案の上に乗っかってくるのでしょうが、ミニマムレベルを保証するためのものなのでしょう。さすがベネッセ。

その一方、英語の教材の紹介が目白押しでしたが、正直言って、全てがウームというものでした。inputとoutputを統合した教材です、という会社があるので、統合とはどういうことなのか、intakeの扱いはどうなっているのかと、ブースで質問したところ、intakeとは何でしょうか?というような会話にがっくし。その他にも、「使える英語」=「output」ということはわかるんだけど、だったらどのようにoutputをさせていくかという部分の説明が全くない。「教員免許のある在米のネイティブスピーカーとパソコンを使って会話をする」なんていう説明もある始末です。教員免許ってなんだ、それ。
他にも、教材を作っている某塾のお話しでは、その教材が画期的であると話していましたが、あとで見に行くと英語に関しては全く画期的ではない。断言します。はっきり言えば、なんだこれ、、、という教材でした。その教材を使うためには、「エリア限定」があるようで、使用するためにはそこの「会員」にならなければならないそうです。なんだかなぁ・・・。

確かに、英語の成績を伸ばすことは難しいことのようです、塾の方にとっては。「成績保証」をしている塾でも、「英語以外の4教科」としているようです。確かに、教員免許を持っているプロでさえ、どう教えるかに苦しんでいるのですから、(あえていうなら)素人さんが教えるのはさらに難しい。経験則で何とかなるものではないことが、圧倒的に多いでしょう。

「良い教材」とは何なのか、を考えてしまいました。これは、立場によって変わるはずです。第一義的には、出版社にすれば、「売れる教材」。塾にすれば、「集客できる教材」(成績が伸びれば、生徒が集まるといっていた)。そして、教師や生徒、保護者にすれば、「成績が伸びる教材」なわけです。これらは、全てその立場では当然のこと。どんないい教材でも売れなければ、出版社にとってはダメな教材です。生徒が来なければ経営が成り立たない塾にとっては、集客できなければダメなわけです(これは私立学校も同じかもしれません)。きれい事では済まされないわけですから、本当に当然のことです。(イヤミじゃありませんよ) そう考えると、純粋に学力アップを考えられる公立学校は恵まれているんですよね。ただ、公立学校には「それどころじゃないよ!」という部分があるところが辛いところです。

確かに第一義的にはそうですが、出版社にとっても塾にとっても、2番目に大切にするところは、「学力アップ」でしょう。ところが、その学力アップが難しいところです。
おそらくそれは、ベネッセが幼児教育で行うような、「手取り足取り」が難しいからだと私は思います。手術でいう、「術式」にあたるものです。

それは教材しかない、と私は思います。ある教材を最初から進めていけば、学力や自信といった広い意味での英語力(学ぶ力)がつく教材が必要だと思います。教える側に経験やスキルがなくても、その通りに進めていけば力がつくもの。本当は全て1冊でできればいいんですが、そうもいかない。単語もあり、文法もあり、作文もあり、長文などいくつかそろえて、自分のこだわりで、それぞれをピックアップできるような教材が理想だと思います。現場の先生だけでなく、大学の専門家にも、この教材作りに力を注いでもいいのではないか、論文と同じ感覚で教材作りをしてもいいのではないか、と思います。

教材とは、シラバスそのものです。どのような力を学習者につけてもらいたいかというイメージを持ち(イメージというと、批判がくるかな)、そのゴールに向けて、どのような学習を重ねていくか、どのような問題を出すのか。若い先生は、教員免許を持っていない人がこの教材で教えるとしたらできるだろうかという感覚で問題を作ってみると、いい勉強になると思うんですけどね。

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