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2013/03/28

問題集で文法力がつくの?

異動します。3年生を卒業させたこともあり、異動希望を出したところ、なんとか希望がかなうことができました。知り合った卒業生のみなさんや同学年・同じ分掌の先生方に心から感謝します。いろいろと学ぶことが多い学校でした。

あまり振り返りたくないことは人生にはありますが、振り返っておいた方がいいことも多々あるもの。(一般論ね) 異動を前に「文法力をどうやってつけるか」ということを振り返っておきたいものです。

ネット上のニュースをみていると、啓林館のVision Quest(と思われる教科書)が英語表現の教科書のシェアを40%以上も占めているそうです。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130326-00000098-mai-soci )その記事には現場の声として次のように書かれています。

  • ある東京都立高の50代の女性教諭は「文法が体系的に学べない。これでは生徒の頭の中に英語の形が整理されない」と危惧する。
  • 都内のある進学校の男性教諭は「レベルの高い大学に生徒を入れるには、特に1年生できちんと文法を教えざるを得ない」。

確かに文法は大切だなぁと私も思う。kick O のあとの前置詞はin/onどっちだっけ? 「知覚動詞」のとき、jumpはjumpだっけ? jumpingだっけ? パラグラフの最初の文でThere isから始めても大丈夫かな、などなど全て文法の範疇でしょうし、前置詞や副詞のイメージもまた文法と呼ばれているし、とにかく何でもかんでも「文法」と呼ばれてしまいます。

だったらね、こういう文法って、文法の問題集をすることがいちばんの近道なんでしょうか? 学校の先生は好きですよね。「文法力がない」からといって、問題集を与えての小テスト。毎週のように小テストを繰り返し、「なかなか定着しないよね」なんてグチ(悪口?)をいう人もいるかもしれない。

これだけ、英語教材が進化して、語学習得のノウハウも進化しているのに、内田樹氏いわく「新入生の英語力は年々劣化を続けていることは手に取るようにわかる」そうです。(http://blog.tatsuru.com/2013/03/19_0907.php) 

では、高校生が昔に比べて怠けるようになったかといえば、そんなことはない。少なくとも、いまのアラフォー世代よりは、よっぽど勉強をしています。これは、間違いない。悪いこともしないし、とにかくよく勉強している。

「高校生は勉強している×技術の進化→英語力の低下」という図式が、私の皮膚感覚で感じるようにあっているならば、「技術」が間違っているとしか私には思えません。もちろん内田のいうように「報償があらかじめ示されると、学習意欲は損なわれる」ということも一理あるのかもしれませんが、現場教師としては「技術」を見つめたほうがいいと思います。

では、その「技術」とはなにかというと、「文法問題集」(これも、ひと括りにするのも難しいけど)です。いま、一般的に「文法学習」として売られている問題集をやったところで、学力アップにはならないという結果になりませんか?

反論が多数の気がする。

「体系的な文法学習」「しっかりと文法」ということが間違っているのでは?といっているのではないんです。「文法問題集」をやったところで、「体系的な文法」は(ほとんど)身につかないし、「しっかりと文法」の理解は(ほとんど)不可能なのではないか、といっているのです。もちろん、「生徒のモチベーションがあがらない」という人もいるかもしれないけど、それは現場の教員がいってはいけない。そうやって、学習者の責任にしてはいけません。「俺の商品が売れないのは客のみる目がないんだよ」なんていっているバカな職人には、独立性なんてありえません。

ある程度は英語も読めて、聞けて、話せて、書けるひとにとっては、「体系的な文法学習」はとても有効だと思う。しかし、一般的な高校生が問題集を繰り返し行うよりも、簡単な英文を多く読んだり、音読をしたり、身の丈より上のレベルの英文と格闘するほうが、よっぽど英語力がつくと私は思うのです。

そして、英作文(ライティング)やスピーキングの中で発生する、主体的「文法的気づき」が発生し、その先の「これ、どういうことなんだろう?」という生徒の疑問が生まれて始めて、本人なりの「体系的な文法」が生まれていくのではないでしょうか。勝手に「体系的な文法はこういうものだ」と与えられて、ドリル学習や大学入試の頻度が書かれている「文法問題」なんてクソクラエなのだと私は思います。「倒置」と書かれているところで倒置を学んでも、それが長文の中で出てきたときに、分かるとは限らないでしょうに。

でもさ、こういう「文法問題」って、授業する側は教材研究を多少手抜きしても、なんとか形になるんだよなぁ。

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