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2012/01/29

マニュアル

3ヶ月ぶりのとある会合。自分なんかがここになんでいるのかな、と思う顔ぶれですが、勉強会もそうですが、その後の飲み会がおもしろい。ちなみに、英語や教育の勉強会ではありません。会も完全にクローズドで、数人で行っているので、ホンネでいろいろな話しができるメリットがあります。

講師の方から、飲み会の中でこんな問いかけがありました。

  • 長期的目標を持つことは大切だとみんな思っているけれど、成功している会社(長く続いている会社)は長期目標を持っているか?

何でもそうですけど、長期目標を掲げて、そこに近づくような中期目標、そして短期目標と定めていくという人は多いでしょう。目先のことばかりしていては、間違ってしまうことも多いということか。

  • 長期目標を持って成功しているところもあれば、あえて持たずに成功しているところもある。遠くを見つめながら今を行動していくことが大切だという考え方もあれば、遠くのことなんて分からないから足下だけみればいいという考えもある。つまり、正解はないんだよ。長期目標を持とうが足下のみを見つめようが、倒産するところは倒産する。

そんな話しを、具体的な会社名を揚げながら教えてくれました。正解がないとは、漠然としているなぁとそのときは思ったものの、「その場における最善に判断ができる人となり・能力」があれば、どこをみようと船の指針は問題ないのでないかなぁと感じました。「船員」のモチベーションにしても、「モチベーションをあげよう!」といっても、上がるものではない。羽生二冠も次のようにいっています。

  • テレビでサッカーの試合を観ていると、解説者が、「ここで集中!」「集中力を切らすな」と叫んだりしているが、私は、集中力はそんなに簡単に自在にギアチェンジできるとは思えない。(『決断力』)

これは、「集中力」についてが話題ですが、モチベーションも同じこと。簡単にギアチェンジすることはできません。

いつもながらの我田引水で、これを学校で考えてみると、「長期目標(中期目標)」にあたるものは、シラバスやCan-doリストでしょうか。確かに、「卒業までに、こんなことを身につけさせたい」という目標を持って、うまくいくこともあるでしょう。その一方で、リストがなくてもうまくいくことだってあります。もちろん、あっても失敗することもあるだろうし、なくて失敗することもある。

モチベーションの高め方の方程式があれば、こんなに簡単なこともありません。学校だけでなく、企業でだってノウハウを知りたがります。今までいろんな人が、いろんな試みをしてきて、成功も失敗もあったでしょう。でも、誰でもが実践できるモデルなどありません。その人の方法はその人のスタイルであるからです。

なんだか、もっと必要なことがあるような気がするんですが、うまく言語化できません。これじゃ、あまり説得力はありませんなぁ(苦笑)

2012/01/22

オリジナリティのススメ

地元の教育委員会主催の「楽しい化学教室」の講演会へ。講師は、「はやぶさ」計画の中心人物であるJAXAの川口淳一郎先生。科学者の魂が感じられるお話しでした。
ご講演の中で心に残ったことばを書き留めておきます。

  • 「はやぶさ」は「偉業」ではなく、「こうすればできる」ということの積み重ねである。
  • オリジナリティが誇りであり、オリジナリティが「格付け」から脱皮できる方法。
  • 高校から大学に行くときに、自らの人生を決められるはずがない。
  • 大学までは材料集め。
  • 誰もが、「学び」から脱皮するときが来る。
  • 先代からの学びから、オリジナリティに移行する。
  • 見えるものはみな「過去」のものである。
  • 学んだことはみな練習問題。
  • いつの時代でもイノベーションなんて用意されていない。
  • 過去の全てを学ぶのではなく、必要な時代のみを取り上げる。
  • 原点と目標を揺るがせない。
  • 本物には力がある。
  • アイディアで変革
  • 製造から創造へ
  • 個性とインスピレーションを伸ばす人材育成
  • 高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない
  • Think different=天の邪鬼のすすめ

英語長文を早い時間で読ませて、内容を把握させるということを目標とするならば、その練習として実力+αの英文をじっくり読み、スラスラ感を持てるようにトレーニングを重ねていくということに、異論を持つ人はいないでしょう。どのようにじっくりと読み、どのようなトレーニングをするかについては、いろいろな考えがあるのでしょうけど、大まかな方向性については問題がないと思われます。

そして、どのようなトレーニングがベストかということは、答えが出ていません。もし、「ベスト」のものがあれば、それを使えばいいだけです。日本経済を覆っているデフレ対策の模範解答がないのと同じように、ベストのトレーニング方法はありません。景気が悪くなったら公定歩合を低くして、良くなったら高くしてなんていうだけでは、対処できないのと同じです。税金を上げて税収を高めようとすれば、個人消費が悪化するという「デメリット」だってあるのですが、こと教育については、何かを行ったときのメリットにばかり焦点が向けられて、デメリットについて語る人はあまり知りません。授業の中だけを考えれば、単語の練習を十分に行えば、読解の時間を減らすことになるかもしれないし、読解を十分にとれば音読の時間が少なくなるかもしれません。あれもこれもと授業の中に取り入れれば、生徒の自宅学習に頼ることになり、そうすると自宅学習をしてこない生徒(生徒層)は「切り捨て」となっていきます。
話しが拡散してしまいましたけど、現状という器を受け入れつつスタートすることを考えれば(その器を教科担当1名の力で変えていくことは非常にたいへんだし、上から何らかの指示があっても変えられないことの方が多い。私たちは正論で解決できる社会に暮らしているわけではないのです)、方法論はあくまでもひとつの目安であり、その器に何を入れていき、「美味しい飲み物」を作るかは、先生1人1人のオリジナリティによるものしかないのです。だからこそ、そのオリジナリティを求められる現場の教師としての矜持を持つ必要があるんだけど、それが往々にして「共通理解」「方向性」という美辞麗句で阻害されることがあるのかなぁ、と思うことがある。求めている方向性が同じなのであれば、何に力を入れるかという「優先順位選択権」くらいは、私たちが持ちたいと思いますが、いかがでしょうか。

こちらの生徒への期待と、生徒のこちらへの欲求との均衡したバランスが、いちばんの生産性の器となります。そのバランスをどうやって作り上げていくか、そのバランスをみないで授業のみをみて、トレーニング方法だけを真似したって大やけどをしてしまうってことです。

その大やけどの元となる「トレーニング方法」について、宗教的に「これが正しいんだ」というえらい先生なんて信用してはいけません。オリジナルのトレーニング方法を探していくための「練習問題」なんですよ、本やネットの情報というのは。

2012/01/10

特効薬

本日より学校も始動。初日より授業ですが、楽しみです。
昨日は、冬休み最終日だったので、自宅で鍋。妻が某資格を取るための実習だったので次女とリアル倫太郎と鍋の買い物に行きました。次女の強いリクエストもあり、牛肉ではなく豚肉&刺身用の魚をシャブシャブ用に購入してきました。美味♪
ブログを書き終えたら、朝食用におじやを作ります。

「英語教師的物心」がついてから、生徒の英語力が下がってきたと、いろいろなところで聞くようになりました。大学入試に合格しやすくなったとも聞くようにもなりました。
これは、現場の先生方の皮膚感覚が中心ですが、実際にベネッセの資料を見ても大学は合格しやすくなったようです(受験者数と定員の関係を見れば当然か)。

そこで、英語力を上げるため・受験者数を増やすため(=入学者の水準を上げるため)の方策がいくつか出される。
曰く、使える英語のためには実用性が大切になってくるのだから、コミュニカティブにしなければいけない。
曰く、相手の話を理解して、自分の主張をするために、ディベートをしなければいけない。
曰く、多読をしなければいけない。
曰く、発音をしっかりとさせなければいけない。
曰く、音読中心の授業である。
もっとあるでしょう。とにかく、A→学力向上の「A」がたくさん出てきました。あ、そうそう、「英語教師のスキルを高めるために、悉皆研修」なんていうのもありましたよね。(教員免許の更新制はちょっと意味が異なってくるかもしれませんが)

大学も同じこと。
曰く、一芸入試である。
曰く、受験科目も減らして、受験者数を増やす。
曰く、AO入試を使って多様な受験生を増やしていく。
曰く、5教科7科目に戻して、要求水準を高めていく。
こちらも、A→受験生の確保(=入学者水準を上げる)の「A」をさんざん探し続けています。

おそらく、なんですが、いろいろな「A」を提案してきた人は、おそらくその「A」がうまくいった経験を持つ人なんでしょう。コミュニカティブの授業で手応えのあった人は、その良さを伝えるだろうし、多読で良かった人は、それがいいというでしょう。一芸入試やAOで成果のあった大学は、その良さを訴えるでしょう。

しかし、彼と彼女は違うパーソナリティ(歴史)だし、あなたと私とも異なるわけです。その異なったパーソナリティ(歴史)、もっといえば、異なる意識を無視する形で、自分たちのやり方である「A」を他者に導入させてもうまくいくはずがない。もっといえば、「A」は現実の否定から入ることも多いので、その導入で閉塞感が打開できるような錯覚さえ引き起こさせるんです。現実が悪いのは、○○が原因であり、それを打開しなければいけないというと、「改革」の名の下に、支持を得やすかったり、新しいことを「実績」としてPRしたがる一部の士職業人に注目されやすいのかも。(英語教師批判や政権交代のとき、こんな雰囲気だったかも)

ここ十数年の結果を見ていると、「A」という特効薬などないんじゃないかな。

私は私、あなたはあなた。他者のやりかたを見ていて、そこで受け入れたいものがあれば受け入れて、自分の一部にしていく。おそらくは、そんな方法しかないんじゃないかなぁと、思います。
それが、自分のやり方になっていくまでには時間がかかるかもしれないけど、その試行錯誤で教師は成長していくのではないだろうかな。

2012/01/05

サマータイムブルース

町内会の子どもを集めて、英語の勉強会も開始。といっても、3人の中学1年生とのんびりと勉強会ですが。教科書のLesson1から、簡単に意味をとって、音読→オーバーラッピング→シャドイング→Read&Look upという流れで、約1時間。It is ~をCDでは/イリズ/と読んでいるのに、/イトゥイズ/から抜け出せていないので、フラップを練習。町内会長を完走しても、続けていきたい。うん、自分としての地域貢献です。

昼間は、1月からの授業の教材研究とクラス通信作り。教材研究でパプアニューギニアについて調べていたら、環太平洋地域では、1992年から現在まで、約10回もの地震津波が起きているのですね。こんなに多いとは驚きました。

類義語をOALDでチェックしていると、dominateが"to control or have a lot of influence over somebody/something, especially in an unpleasant way"とありました。in an unpleasant wayを読み、dominate the world economically(ウィズダム英和辞典)のようなコロケーションがあるのだな、と妙に納得。

そのあと、リアル倫太郎と算数の勉強です。小学校3年生ってこんなに難しいことをしているんだね。ちょっとおだてたら、調子に乗って、次女(小学校5年生)の算数にチャレンジしている彼を見ていると、間違いなく父親よりも優秀に思えてきた、という親ばかになっていました(笑)

学校の英語で実用性を前面に出して、「実用は○、非実用は×」としていると、前回のブログで最後にリンクを張ったような本が説得力を持ってしまいます。もちろん、筆者の英語教育の知識の古さにため息をついたり、英語を必要とする人間の「選び方」がよく分からなかったりと、それなりに問題はあります。しかし、実用(実践的コミュニケーションに近いのか?)という物差しで考えれば、確かに筆者の主張にもうなずけるところがある。

教育という枠組みの中で英語教育を考えて、筋道をつけない限り、このような学校英語への批判は続くのではないかなぁと私は思います。何度も書いているように、大学入学者は全体の半分。さらに、入学者の半分は推薦(AO)であることを考えると、定員割れをおこしている大学も含め、一般受験で英語を使うのは全体のたった1/4に過ぎません。
その上、上記の著者がいうように、実用としてなら全体の10%で構わないという(この計算がどこまで正しいかは分からないけど)。

教育という枠組みでも大切な英語学習、そしてその結果、自分がそれに努力を加えれば、実用にも生かせることができる、という元々の物差しで考えられないものだろうか。(昔ながらの文法訳読式がいいといっているのではありません)
過度な実用主義、過度な「教養」主義ではなく、生徒の成長を促す英語教育という物差しが、大切だと思います。

明日の中学生との勉強は、語順について。

この意味順だけど、拙著『高校これでわかる基礎英語』(2003)とつながる部分があります。併せてご覧下さい。(って、営業かw)

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