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2009/01/28

進路について

 無料ダウンロードコーナーにあるコロケーションが、本になることが決定。そのため、もう一度、チェックし直しています。単語集はサプリメントだと思っているので、ムダな成分をなくすために、重複している語を「0」にするという作業を終えました。例えば、a small dogがあれば、もうsmallは使っていません。ただ、reportやcleanのように、品詞が違う場合には別の単語として考えています。使う単語は、中学校の教科書での頻度をチェックし、出来るだけ「基本単語」にしました。
 コロケーションや使用語を中学校の教科書で確認している中で、次のような感想を持ちました。

  1. 本文ではなく、課末に新語が出てくることが多すぎないか。
  2. 句動詞の数が少なすぎないか。(新語として句動詞を入れてもいいのではないか)
  3. 本文の中に、日本語を入れない方がいいのではないか。

ということです。教科書をじっくりと読むだけではなく、何か作業をすると、それまで見えなかったことが見えてきます。これは、自分たちの学校での教科書選定でもそうなんでしょうけど。この中でも、いちばん気になったことは1です。本文を長くすればある程度は解決するのに、どうして課末に持って行ってしまうんでしょうか。中学校の先生は、使いにくくないですかね?


 授業も全て終了し、3学期の学年末考査が始まりました。國弘正雄氏の講演風景や、ペンキできれいにした教室の様子も紹介したいのですが、それは明日に。本日は、クラスの進路について。

 生徒の話ですと、勤務校の偏差値は42らしく、生徒は自分たちのことを卑下する傾向があります。(「どうせ自分は・・・」「どうせウチの学校じゃ・・・」というセリフを使うことが多い)だから、それを自分たちの努力で乗り越えようというスタンスです。
 「やれば出来る」という美辞麗句だけで行動しても、上手くいかずにまた自信をなくすだけです。こちらで「どのように考えるか」「どのように行動するか」など、生徒(保護者)と共通の認識を持ちながら、how toを提案することを大切にしてきました。

 クラスでは、生涯賃金の話しから始まり、働くこと、そして生活することの視点で、LHRや3者面談などを行ってきました。美容師など、明確に職業意識を持っている生徒は、専門学校へ行くことを勧め、大学で学びたいと考えている生徒には、社会とのトンネルが広いといわれている大学を薦めました。(奥歯に何かつまっていますが、何か?;笑) また、就職は事情が十人十色。進路未定は、「某テーマパークでアルバイトをしたい」「某ショップで働きたい」など、アルバイトでなければ無理なケースや、卒業自体が「目的」となってしまったケース、もしくは家庭の事情など、残念ながらいくつかあります。
 保育士については短大を薦めました。ただ、保育士の資格が取れる短大がいくつかあるので、3つ以上の短大に見学に行かせたり、時には「ホントに保育士でいいの?」と価値観をあえて揺さぶることもしました。(専門学校志望者にも同じことをしました) 職業と直結しているのであればこそ、「ホントにそれでいいのか」という問いかけをした方がいいと思っています。本人の希望であったとしても、社会経験がほとんどない10代の若者の希望ですから、その価値観を揺さぶること(壊すことではない)も大人の役目ではないでしょうか。

 大学については、「そんなの無理だよぉ」といわせない。「こうやって、そうやって、で、○○すれば、できるでしょ」という提案と、小さいことでもいいから生徒の成功体験(何かを達成する体験)を積み重ねていきます。これで役に立ったのは、英検です。Aさんにも英検3級が取れた!という話題が生徒の中で起きて、「自分にも出来るのでは?」という雰囲気が高校2年生の2学期にありました。(第2回英検) それまでは「英検を受けるのは、一部の英語の得意な生徒」という気持ちだったのが、「自分にも出来る」という思いを生徒が持ってから、教室の雰囲気が一変しました。
 それ以外には、授業の開始・終了時刻のけじめをつけるだけでなく、自分たちで出来ることは話し合いをさせて、自分たちで考え、決定させました。(文字にすると簡単なんですけど、その土壌作りが授業なんです。これは、分かってくれる先生しか分かってもらえないかもしれませんsweat01
 最終的に、「自分もここの大学に入れるかもしれない」という気持ちを持たせ、その準備(これは企業秘密;笑)をさせ、クラスから次の大学への進学が決まっています。

  • 明治学院大学(1名)
  • 神田外語大学(2名)
  • 日本大学(2名)
  • 駒澤大学(2名)
  • 国士舘大学(3名)
  • 二松学舎大学(1名)
  • 千葉商科大学(2名)

私立の最高峰といわれる某大学にチャレンジした生徒がいましたが、残念ながら不合格。また、某中堅大学に不合格した生徒もいました。2人とも何とかなるかと思っていただけに、ショックでした。(2人とも違う大学に進学が決まっています) 2人とも優秀な生徒だっただけに、あの大学とこの大学は失敗したよな、って思っています。逆に、その2人を合格させくれた2つの大学は「おめでとう!」とも。

 大学に入学したら、心配なのがやはり英語。3学期に入り、だいたい卒業が見えてきてからも、英語だけはしっかりと学習しておくようにとクマさん表紙の基礎英語を勧めていますが、なにか?(笑)

 少子化であれば、労働力の「質」をあげなければいけないのに、「できる生徒を伸ばそう」という意識では、全体が伸びることなどありえません。かといって、「できないのだから仕方がない」という教育を放棄するような言い方には反吐が出ます。
 「出来ないのなら、こうやればある程度は全体が伸びていく」という感覚が必要なんじゃないかな。「ある程度」の割合をどれだけ伸ばすことが、私たちの仕事(特に担任の仕事)だと思うのですが、いかがですかねぇ。

2009/01/23

あとは試験のみ

 國弘正雄氏による講演も終了。東京から千葉の片田舎までお越しいただいたことに、心から感謝。また、卒業生のY君にもいろいろと手伝ってもらい、そちらも心から感謝。

 時間割の関係で45分という時間でしたが、相変わらずの國弘節は健在でした。英語についてから、アメリカ大統領選挙、アジア諸国との関係性についてなど、間もなく高校を卒業していく生徒にとっては、よいきっかけになったことと思っています。「オバマ政権と日本政府との間につながりは全くない」ということには、少々不安を感じました。そして、あの人たちと國弘先生は遠戚であったのか!という驚きもあり。昭和のことも話題にもなったので、その部分は生徒よりも職員の方が興味深く伺っていたようです。
 この時の写真は明日か明後日にはアップします。

 年金について、STDについて、そして今回の國弘講演会。今の3年生にとって、どれしもが有意義なものであったと思っていますが、、、。

 授業もカウントダウン。最大で2時間ですね。ちょっと感じることもあるので、また近日中にアップします。10~11月には進路先がほぼ決まり、英語を学ぶことはないだろうという進路(もちろん就職も含め)を選んだ生徒にとって、英語学習の意義とは何なのだろうか、ということです。

2009/01/20

腰痛と怠惰の原因

腰痛の悪化。ここ数日間、「腰が辛い」というのではなく、「腰が痛い」状況になってくる。

原因がなんだろうと考えてみる。最初の考えたのが加齢sweat01 でも、こんなに急激に悪化するのもへんだしなぁ。。今年が30代、最後の年とはいえ、そこまでガタは来ていないだろうと勝手に自己判断。

次に、悪いことに対して万能の言葉の「ストレス」や「疲れ」。もちろん、公開されるブログには決して書けない、守秘義務を伴った事例もいくらでもあるので、ストレスや疲れはある。でも、そうでもないなぁ。

では何だ?

通勤の自転車に乗っていて、原因が分かりました。

「あ! 自転車だ」と。

職場まで約30分ほどツーキニストになるのですが、その時にPCや本など、平均して10kgほどの荷物を背負っていきます。そして、マウンテンバイクの前傾姿勢。これが、腰痛の原因だと分かりました。

そこで、夜にお灸をし、少し復活。プロが作った藺草のお灸は効きます。

 3年生の授業は来週の月曜日まで。授業日はあと5日間。3年前に比べて、卒業が不安だったり、援助の必要があるケースがあったり、そんな事例が増えてきた気がします。これも腰痛と同じく、ステレオタイプの原因で考えてはいけないだろうな。「家庭の問題」「怠惰」というだけでなく、確かに怠惰とは見えるけど、どうしてそう見せているのかを考えてみると新たな発見があるのかもしれないな、と自分に言い聞かせてみる。

 教材もお灸と同じ。プロの藺草は、ナントカ灸というものよりも、よっぽど効く。だったら、対象者を目の前の生徒にしたプリントは、市販の教材よりも生徒には効くのだろうか。市販の教材と違って、対象者が非常に限定されている。そのプリント(プリントだけではなく、授業もそうだろうけど)の方が、対象者を「英語が得意」「普通」「苦手」程度しか限定していない教材よりも「効能」がないのでは困る。

 無条件で2割の他人とはウマが合い、無条件で1割の他人とは仲良くなれないとは、心理学のえらい先生から教わったこと。目指すべきは、その中間層にいる7割。2割を取り上げても、1割を意識しすぎてもそれは意味のないこと。7割とどう接していくかが、「教師力」なんだろうね。

 保護者会の新聞作りのために、各クラスから4名ずつ、合計28名を放課後、コンピュータ室に集めて、約100字で保護者へのメッセージを書いてもらいました。最初は、「書けないよ」なんていっていたのが、いざ書いてみると、「たくさんありすぎて、100字で収まらない」という声が多数あり。「ありすぎて、何を書いていいのか分からない」という感想に変わっていきました。全員のメッセージを読んだところ、ホロッとする内容ばかり。機会があれば、近いうちに引用します。
 でもさ、「お母さん、ありがとう」というのがほとんどで、父親のことは書かれていない。ウーム。

 昨日、来年度の副教材決定。辞書は「エースクラウン」、副教材は「Road34」となりました。

2009/01/16

2回の講演

 総合的学習の時間で、卒業を間近に控えた3年生を対象に、「STDって何?」という泌尿器科のドクターからの講演。

 泌尿器科のドクターの仕事内容から始まり、STDという病気について、そして感染したときの症状、実際に感染した人がどういう状況に陥るかなど、症例を交えながらの講演に生徒も釘付け。なかなか、深いですねぇ、これは。
 クラミジアへの感染は18歳女子がいちばん多く、13人に1人が感染していると推計されること。その一方で、妊娠時の検査では、16-19歳の未婚女性の罹患率は約30%にのぼるという事実。どちらの数字が正しいのかというと、一般的には後者の割合に近いのではないかといわれているようです。

  • 大人が想像している以上に、現実は進んでしまっている。

というドクターの話に納得しました。想像と現実とのギャップは、どこにでもあるのですねぇ。自分の物差しが現実だと思いこんではいけないってことか。
 ドクターは、中学高校の同級生だった友人だったので、ミニ同窓会も楽しめたのも副産物でした。

 卒業前最後の総合的学習の時間は、國弘正雄氏による講演会。日米会話学院が所有する1968年の"American Presidency"で氏の逐次通訳のテープをお借りしました。
 いやぁ、すごい。。。テープを視聴したところ、とにかくすごい。他に形容詞が見つかりません。

 この頃の授業ですか・・・? いやぁ、、最後のステップアップに難儀しています。ただ、大学に進学する生徒には、英語で苦労することのないように、課題を与え、勉強させています。

2009/01/10

教育問題Aと教育問題B

 教育問題といっても、教育政策で解決できる教育問題Aと、教育実践でしか解決できない教育問題Bとがあります。どの学年で、どのようなことを児童・生徒が学んでいくかということは、教育政策Aです。コミュニケーション英語という科目を作ろうとか、中学校での教科書はダイアローグ形式(コミュニカティブ形式?)にしようなど、教育のグランドデザインはまさに教育政策。制度変更や、時には通達で変更することが出来る傾向にある。

 その一方、学校内・クラス内で起こることは、教育実践で解決しなければならない教育問題Bです。不登校の児童生徒や発達障害を持っている生徒と他の生徒との関係性、生徒の抱えている問題への援助など、これらは教育実践です。これらは、時間がかかるし、ベストの答えなどがない。

 ところが、この教育問題AとBとを同じ「教育問題」として括ってしまうから、ややこしくなる。

 教育問題Aの世界の中で生きているお役人にとって、教育問題Bが完全には解決しきれない問題であること、そう、世の中で人々の争い事がなくならないことと同じ方向性を持つ問題であることが、分かりにくいんじゃないかなぁ。理論と実践の差と同じなのかもしれないね。

 現場で働いている人は、この2つの違いがよく分かる。教育問題Bで苦しんでいるときに、教育問題Aの感覚で降りてくる「解決策」に対する違和感を感じることは、これが原因なんじゃないかな?
 教育問題Aは○か×かで、予算的な裏付けが重要です。学校の耐震化であれば、予算があれば工事が可能でしょうし、なければ不可能です。ところが、この教育問題Aの理念を進めようとするとき、もし予算が不十分であったとすると、教育問題Bにそのギャップを埋める努力を求めてきます。耐震化のような問題では、職員に「自分たちで工事をしなさい」とはいえないないので、努力を求めることはありません。私たちは建築・補修工事のノウハウなどありませんから、当然のことです。
 しかし、対生徒のこととなると求めてきます。もちろん、生徒の成長の援助をすることが私たちの仕事ではありますけど、その求めてくることがだんだんと増えてくる。そう、「K1レスラーなら、ケンシロウのような身体であるべきだ(目指すべきだ、ではない)」というほどに、「教員的筋トレ」を求めてきます。「創意工夫」「研修」という名前で、求めてきます。

 例えば、小学校からの英語教育。これは、実践として成果を上げるところもあるでしょう。総合的学習の時間でもそうでしたけど、新しいことが自分のポイントにはまる先生もおられますから、それが成果として出ることもあります。もともと英語が好きだり、チームを組むALTが優秀だったりなど、成果が出やすい条件の先生もいるでしょう。

 でも、そういう条件を持つ先生は一部です。だから、新たな研修が始まる。研修を行えば、時間的な問題で、他のことに取り組む時間が削られる。だから、そちらがおろそかになっていく。誰しもが1日24時間しかないのだから、当然です。(この「当然」を暴力的に否定する人たちは、「民間を考えろ」「だったら教師など辞めろ」などという人間を知らない発言を繰り返す。当然をしらない「非常識人」に対して、まともに対応する必要は私たちはない)
 一方、この「当然」を否定するように、新たな仕事を上乗せをする離れ業をしようとする先生も少なからずいる。特に、小学校だよね。皆さん、何時に帰っているの??というほど、遅くまで仕事をされている。

 話しの流れで、小学校からの英語教育になったからこれを進めると、小学校で英語教育を進めようとする「教育問題A」をサポートするためには、予算が必要になる。新しいことを始めるためには、人的なサポートが必要となります。
 しかし、「教育問題A」の理念は推進したいが、予算が十分に確保できない。しかし、理念は推進したいとなると、その矛盾を「教育問題B」を解決するように求めてくる。そして現場はその矛盾を解決するようにトライするけど、それが重なってくると、矛盾は大きな歪みとなり、大きな問題となり表れてくる。

 「教育問題B」で実績を上げて、それを評価されて、「教育問題A」に加わる人がいる。こういう人の中には、ご自分が実践された環境が全ての教育問題Bに適応できると考える人もいるみたいですねぇ。もちろん、そういう先生たちの努力を私は否定するものではないけど、その人たちの物差しとは違う物差しもあります。それが分からない「教育問題B」の住人は、ごく一部に対する説得力しか持たない。でも、ここに気づかない人もいるんだよねぇ、ホントに。
 教科教育を、教育の枠組みで考えないときに、こういう問題は多く出てくる。「個別に対応」と、「理念を広げる」とは矛盾することが分からない。

 高校になると、「個別に対応」が拡がってくる。小さいときからの差は、年齢を重ねるに従って拡がりますから、当然です。だから、ある学校では教科教育を中心に行っているけど、他の学校では退学させないような取り組みが中心であるという現状があります。その中心問題のみに焦点をおくのではなく、バランスが大切になってくるのだけど、これは「教育問題A」の視点だけでは説明が出来ない、教育的なものです。(本来は、教育的配慮とはこのバランスを説明するために使われることばなんだろうな)

(1/12朝、大幅に加筆)

 疲れたときには、励ましてもらうこともよし。始めて、YouTubeを埋め込んでみます。

 

2009/01/08

蟷螂の斧

 新学期もスタート。三年生の三学期は、自分のこだわりを表面に出すと決めています。「英語が分かる」ということを目標にした一年生の一学期。そして現在は、「英語の題材を通じて、共感し、夢を持つ」という青臭い(!)ことをゴールにしているので、Pole to Poleはいいですねぇ。若さの持っている可能性を生かしてもらいたいし、若いからこそ出来る大きなチャレンジや、純粋な正義感・公憤を持ってもらいたい、というゴールです。ホント青臭いね(苦笑)

 昨日、英検協会から「STEP英語情報 2009 1・2」号が届きました。pp.18-19に記事がありますので、お手元にある方はお時間があればどうぞ。しかも、加藤登紀子さんへのインタビューが巻頭にあるというのもいいですねぇ。
 記事のメインとなっているTさんは、彼女もインタビューの中でいっているように、アルファベットさえ書けない生徒でした。彼女は実はブログの中でも登場しています。

 「分からなかったことが分かる」ということは、自信(自己尊重感)につながります。いくらね、「やればできる!」なんてことを言われたって、その経験のない子どもたちの心には入らない。いや、もっといえば、上から目線で嫌悪感すら感じられることを、どれだけの大人が分かっているんだろうか?
 だからこそ、そんな手あかの付いた言葉を100聞くよりも、1つの実体験の方が人生にプラスになる。自信を持てた生徒の学校生活は明るくなります。

 英語1教科が分かれば、それが他教科にもプラスになってくる。分かることが分かるようになったという体験があれば、次につながります。これは、間違いない。
 中堅高校以下の高校生にとっては、英語と数学がいちばんの苦手という生徒が大多数です。だから、この生徒たちに、英語や数学を理解させ、分かるようになるという実感を持たせることは、その生徒たちを救うことにもつながります。(もちろん、全員じゃないけどね)

 「分かった」という感覚が持てたとしても、それが形につながらないと実感にはつながらない。その実感を形や数字として効果的なものが、定期テストと資格テストです。だから、私は積極的に英検を生徒に勧めています。
 「高校生で3級なんてムダだよ」なんていわずに、生徒に勧めてみてはいかがですか?ただ、英検ももう少し安くならないのかなぁ。。。これは、漢字検定もそうだけどね。

 「こうやって教える」「こうやって授業をする」という技術を磨くことももちろん大切なことです。ただ、それだけではなく、生徒が自信を持って、自分で学んでいくようになることも私は必要だと思っています。そういう生徒が核となれば、グループ学習も成立します。
 何度も書いているように、私たち現場の教員が行っているものは英語教育であって、英語教授ではないのです。教師が全てをコントロールしようとするよりも、生徒に委ねれば、生徒の学力もつくだけでなく、教師も楽になるかも・・・(笑)。 
 全てコントロールしようという気持ちから離れると、好転することが多いんじゃないかなぁ。。

 このブログを書いているのは、私の自己満足そのものです。英語力がしっかりとついていない高校生の英語力を伸ばし、彼ら・彼女らの自己尊重意識を高めていこうというこだわりだけです。だから、そのこだわりに対して、批判的な人たちの蒙を啓こうなんていう気持ちは私にはありません。
 ただ、同じような気持ちを持つ先生も少なからずいることはよく知っています。そういう先生と、一緒にやっていきたいなぁとは強く感じています。

2009/01/06

間(はざま)

 明日から新学期。3年生になると授業日数が少ないので、準備を完成させて、授業の初日から卒業へ向けてのスパート状態にしないといけないな。

 ブログを始めて数年になり、色々な人からメールやメッセージをいただいたり、そして中には実際にお目にかかった人もいました。メールの中には、高校や大学時代の友人からもあり、当時のことを思い出すと、ただただ、恥ずかしい限りです、生意気盛りでしたからsweat01
 自分のことを冷静に思い出してみると、今の高校生の方がよっぽど大人の部分も少なくないと感じています。そして、多少の生意気さも、可愛く思えてくるものです(笑)

 教育相談の学習会に出ると、教育相談に興味のない同僚教員の話題になることがあります。高機能自閉症と思われる生徒を「マジメだ」と考えるだけだったり、鬱の生徒に「しっかりとしなきゃいけないだろ」なんていう教員も中にはいるようですから。
 でも、そんな時には「全員が教育相談に興味のある学校は、逆に気味が悪い」という言葉を思い出すようにしています。そして、「100の理論よりも、1つの実践」の方が周囲に拡がるという言葉も意識しています。2つとも、教育相談を学ぶうちに、教えてもらったことです。

 英語教師という立場でも、私が知りたいのは理論よりも、実践です。理論というのは、純粋に英語学的なことが中心となりますが、実践というのはそこに息吹が聞こえてきます。input→intake→outputというよくいわれる理論を聞いて、「確かにそうだよな」というようなoutputされにくい理論ではなく、こうやってinput→すると生徒の中でこうやってintake→こんな風にoutputしましたよ~、という実践が欲しいんですよね。
 理論は、自分の授業と対比するのが難しいし、自分の授業に(強引に)当てはめることさえが出来る。でも、実践は自分の授業と対比させやすい。当てはめることは、ほぼ不能。だから、冷静に自分の授業と比較をして、考えることが出来る。
 理論は、「なるほどなぁ」という「なんとなく分かった感」という受け身の感覚が先行しがちだけど、実践は「自分はどうすればいいんだろうか」という能動的な感覚が先行する。
 でも、実践に行き詰まったときに、理論で救われることがあるから理論を捨てていいわけではない。結局はバランスなんだろうね。(って、いつも逃げてしまいますけど;笑)

 英語教師が、英語の必修を支持するならば、英語が苦手な学習者のことも考えなければならないはずです。入試センター試験を受けない生徒の方が多数なのですから、過半数を意識しなくていい分野など、ありえないしね。
 その一方で、そういう生徒が多くいる学校では、英語教師はある意味、楽を出来ます。だって、「学力を上げる」という強い命題もなく、学習意欲の低い生徒が多いのですから、教材研究がおろそかでも、ごまかしが利きます。これは、間違いない。先ほどの、input→intake→outputを無視して、one wayの授業をやったとしても、表だった文句はでにくい。それに、自分の英語力がいい加減でも、なんとか切り抜けられてしまいます。(これは、断言できる) 確かに、しっかりと教材研究をかさね、思いを込めて授業をして、傷つくことも少なからずあります。でも、その思いを持ったまま、別の方向から攻めれば、違う結果になる。この「別の方向」ということが、理論ではなく、実践なのです。だから、たくさんの「別の方向」は共有財産になるのでしょう。
 もっといえばね、同じ高校生に英語を教えるのですから、いわゆる進学校だって、その逆の高校だって、両方で実践ができて、始めて教師として自立できるのだと私は思っています。進学校ばかり異動してきた先生は、いわゆる底辺校の先生方に「こういう実践こそ、英語の授業だ」なんていえない(普通の羞恥心があればね)。こういう時には、理論を強く訴える先生が多くないか? また、底辺校ばかりを経験してきた先生が、その逆の先生の心に響く言葉がなければ、やはり生徒をいいわけにしてきた可能性が高い。(私がtmrowingさんを尊敬するのは、両極端の学校で実践をされているからです) 
 「底辺校」の先生が、「ウチの生徒には、こんなことを教えても無理だよ」といういうときには、その顔を鏡で映してみるといい。それは、前向きになるためのグチなのか、それとも自分のいい加減さをごまかすためのものなのか。

 ブログのいいところは、そんな同じ思いを持った先生や、同じ課題を持った先生方と、つながりをもてることです。「多数派」の生徒と向き合っている私たちには、共通の課題があるはずです。

 本日の内容は、今年の最初に書きたかったものなのですが、なかなかまとまらないというか、言葉を選びながら書いていたので、ちょっと遅れてしまいました。

2009/01/02

アリバイ作り

 好きなマンガの「医龍」の19巻が発売。東京の丸善で発売当日に購入しました。医療関係に興味を持つようになったのは、大学の時の集中講義の先生のことばです。

  • 教師は町医者根性を持つべきだ。教師は方法を間違えても生命としての生徒は死なないが、医者は注射を間違えれば、患者は死ぬことがある。その緊張感を持った方がいい。

なるほど。このことばは、どんなえらい先生の講義よりも、私の心の中に入ってきました。確かに、生徒との距離ができたり、時には信頼が崩れたりすることもあるけど、手遅れになったからといって生徒が死ぬことはまずありません。また、信頼が崩れたからといって、「私の信頼を裏切った」と訴訟を起こされることもない。だからこそ、アリバイ作りがいたるところに成立する。
 これは医療の現場も同じようで、「医龍」の第1巻に次のようなセリフがあります。

  • 手術は成功した。患者は死亡した。

これって、アリバイ作りの証拠ですよね。「手術は成功したのに、感染症にかかり、死亡した」というアレです。
 同じように教師のアリバイ作りはどういう言葉にあるのか。ただ、同じ言葉でも、前に進むための場合あれば、アリバイを正当化するための場合もあります。誤解を恐れつつ。。。

  • 教えたことが、ぜんぜん身に付いていない。
  • 何度やっても、理解しようとしない。
  • いくら一所懸命に授業を進めても、聞こうとしない。
  • こっちが教えているのに、学ぼうとしない。

などなど、邪気満載のケースがあります。だったらね、どうして身に付かないと思うのか、理解しようと思うのか、聞こうとしないと思うのか、学ぼうとしないと思うのか、自分で分析してみたら?というと、、、

  • 家庭が複雑で、授業に集中できないんだよね
  • 友人関係でトラブルがあるんだよね
  • どうも学校の外に目が向いていてねぇ

と、自分の授業以外に原因を求めてしまう。うんうん、確かにそういう場合もある。でもさ、それが全てではないでしょう。100点になることが無理ならば、少しでも点数を高めるためにはどうすればいいのか、ということを考えたい。生徒が集中しないというなら、集中できる方法を考えてみる。それで、集中できる時間が2分から3分になれば、前進です。音読をしないというのであれば、音読をしない理由(「目的」のケースもあるけど)を考えてみる。で、1人でも多くの生徒が音読しようとすれば、前進です。こういう「前進」の積み重ねが、教師を作り上げていく。「アリバイ作り」は百害あって一利なしだろうに。

 こんなことを、大学の先生や、いわゆる進学校しか経験したことのない先生に言われると、正直、ムッとする。
 「4,5月で中学校の復習をしてから、教科書に入ったらどうですか?」なんていうことをいう、あるナントカ主事がいたので、「中学校3年間を2ヶ月で復習できると思いますか?」と聞くと、「・・・・。いや、、出来ないでしょうね」。 こんな例はいくらでもあるわけです。

 生徒の学力を少しでも上げようと思ったら、現場で働く私たちしか説得力のある実践や提言などできない。生徒の成長という座標の中で授業を考えることは、現場で働く私たちにしかできないのです。政府のナントカ委員や、えらーい教授サマには、皮膚感覚で分かることなど、とても難しいことです。

 現状を把握して、少しでも生徒の成長を援助していく。この活動の中で、学校だけでは解決できない問題が出来てくる。例えば高い大学の学費や、社会保障の問題とか課題が見えてくる。メンタルヘルスや発達障害の課題もそこから見えてくる。専門機関の連携も必要になってくる。この活動では、アリバイ作りなど必要ない。

 勤務時間の「15分問題」に拘っている時間があるならば、授業を通じて、自分たちが感じることを、自分たちの実践で上手くいったことを、そこから生まれてきた課題を、共有することの方が、私には意味のあることだと思われます。

2009/01/01

分かる援助(2)

今回はブリッジ教材の話し。

 中学校から高校にはいるときに「ブリッジ教材」というものを配布することがあります。「入学前に来て、完成させてくるんだよ~」と学習を促すものです。といえば、聞こえはいいんですけど、実際には、

  • 春休みは遊ばせないぞ~

という要素もあるような気がして仕方ありません。ブリッジ教材は32ページものが多く(8の倍数のページだと、安く出来る)、一通りを学習できるようにはなっているのですが、私は不満がありました。

  • 本校の生徒が一人で進めることには無理がある。(これ、多くないですか?)
  • 少ないページで学習するため、問題の飛躍が多い。

つまり、問題を渡しても、一人では生徒は学習を進めることはできない。その一方で、教師サイドは「中学校の復習を行った」というアリバイ作りは完成するわけです。これなら、やらなくたって、ノープロブレム。ということで、ブリッジ教材は使わない学年でした。

 教材論というレベルではなく、自分が教えやすい教材を選ぼうと思っても、なかなかありません。だいたいのところで合致するかもしれないけど、パーフェクトなどまずあり得ません。当然のことながら、私が求めていたブリッジ教材、つまり、生徒が自分で説明を読み、解けるように教材を探しましたがありませんでした。
 だったら、生徒が学習しやすいものを作ってしまえ!ということで、生徒が自己学習できる教材を作りました。参考書も、辞書もいらない文法の問題集を一太郎で少しずつ作り、やり終えたら、教科書を読む程度の文法は身に付いているものを作りました。もちろん、ワープロですから、絵もなければ、デザインも稚拙なものです。
 見開き1ページの完結型にして、左のページをしっかりと読めば、右のページの問題が解けるようにし、ちょっと難しい単語の時には脚注を全てつけました。「それは、生徒を甘やかすだけだsign01」という批判もあるかもしれませんが、正論を振りかざしたところで、現実に根ざしていなければ絵空事です。
 学力をつけるということよりも、「自分にも英語の問題が解けた」という達成感を持って欲しいということも大きな狙いでした。"a my pen"と"my pen"では、どちらが正しいかというレベルからのスタートです。

 それを、学校の印刷機で280人分(A3で88ページ)を印刷し、紙折り機でたたみ、卒業間近な生徒とホチキスで綴じ込みの作業を行いました。
 生徒に配布するときにも、卒業生が協力してくれたという話しをして、勉強のプレッシャーをかけたり(笑)
 だから、この時は、副教材にかかった費用は、「0」円。ちなみに、印刷をこちらで行い、印刷屋さんに製本だけお願いすると、約170円。

 英語の苦手な生徒が、自分たちで学習できる教材というのは、「簡単」なだけでは不十分。その感覚は、「上から目線」と生徒には受け止められることがあります。それ以外に、いくつか仕掛けを加えて、学習するようになります。
 もちろん、どんな教材を使っても、勉強する生徒は勉強します。しない生徒は、しません。でもね、勉強する生徒を増やすことを目標とするなら、勉強をしない生徒にばかり気をとられてはいけないのでは? 少しでも勉強する生徒を増やそうという気持ちこそ、しない生徒の割合を低くする最善の方法だと私は思います。

 なお、この時の手作り教材が"Road34"となりました。

<追記>
 Road34は、全てのページに確認テストがついています。pdfをアップしますが、ご希望の際には、文英堂までご連絡を下さい。ファイル形式(Word)で、無料で配布可能です。(もちろん、採択された場合ですが)
「Roadsample.pdf」をダウンロード

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