モチベーションとはいうものの(番外編)
余裕がないよー、と泣きたい気分。土曜日は日帰りで、名古屋の某大学へ学会へ。女子大だけあって、きれいですね。名古屋の女子大はSSKがあるんですよ、と事務局の先生に伺いました。
会議時代は、うっかり、時間を間違えて、結局は出席できず、何のための名古屋にいったのだろうか、俺は?(苦笑)
新学年が始まり1ヶ月が過ぎましたが、初めて教える生徒も多数いるので、1学期の中間考査まではノートの取り方指導。毎回、プリントを配布して、リスニングをして、解釈をして、練習問題を行い、本文を筆写します。(筆写はほとんどの場合、宿題となります) 配布するプリントの中に、本文を大きなフォントで書いておき、そこに生徒がノートを取り、提出することになります。
今はそのノートをしっかりと取れているか、グループ学習を行えているかは、この提出プリントで判断しているので、出来ていないようであれば、朱書きで直したり、コメントしたりして、返却。手をつけていなかったプリントのチェックがようやく終わり、あぁ、生徒に戻して、ちょっとだけ一段落。あぁ、ホッとした。
今回は授業のことを書こうと思っていたのですが、「ささやかな思考の足跡」で『週刊 東洋経済』が「子どもの格差」という特集をしているというので、さっそく購入しました。
非常に読み応えがあり、中学・高校の先生は「分かる、分かる」と思えるのではないでしょうか。保護者の経済力により、生徒の進路が決められていく現状をどうすれば解決することが出来るのだろうか。道路のための財源は、どんなに世論が反対しようと、再議決だろうが、なんだろうが、ありとあらゆる手段を使って、作り上げていくのに、次世代のこの国を作り上げていく若者が、自分の保護者の経済力がないというだけで、進路の幅が(時には)なくなってしまうのです。
こういうと、「昔は~」という人が必ずいますけど、時代が違います。国立大学ですら、初年度納入金は約80万円。「昔病」の人は、この金額をどのように考えるでしょうか。しかも、入学金と受験料を合わせれば、約30万円です。保護者の経済力がなくて、どうやってこの30万円という金額を出せるというのでしょうか。
さて、そんなニュースの中、塾という産業を学校に入れてくるというニュースが出てきていますね。tmrowingさんが紹介していたリンク先を見ると、SAPIXが営業をかけているみたいだね。会社は営利が大きな目的なのだから、無償の愛で、面倒をみてくれるなんてありえないでしょう。もし、そんなことしようものなら、株主から背任に問われないかい?(ちなみに、SAPIXは株式会社ジーニアスエデュケーション)
その上、今度は家庭教師までつけるという。すごいね、至れり尽くせりだ。経済力のある家庭には、最高の学校だよね。市価よりもずいぶんと安い金額で、天下の塾に面倒をみてもらえるなんて、うれしい限りじゃないですか。経済力がない家庭の生徒に羨ましがられようと、これをステップにビジネスチャンスを広げていこうと虎視眈々と誰かが見ていようと、そんなの関係ないのでしょう。これも、教育的新自由主義を、国民は是と考えるのか、非と考えるのか。私の立場は、もちろん非です。この学校の試みを、あの「ニュース23」までもが好意的に報道していることに私はショックを受けました。(少なくとも、私はそう受け止めました)
tmさんがブログで何度も仰っているように、この学校の授業はどういう授業をしているの? そして、放課後や夏期休業中の補習はないの? 教員がやれば、無料ですよ、無料! 保護者の経済力の格差に関係なく、講習が受けられるんですよ! それをやっていないのだろうか。
やっているのなら、報道されない理由がどこかにあるの。やっていないなら、どうしてやらないのだろうか。それじゃ、誰かさんの自己顕示欲が満たされないから??
経済的格差が子どもの学力格差につながることに対して、教員なら抵抗できるのではないでしょうか。授業は、経済的な差に関係なく、誰しもが平等に受けられます。放課後の補習だって、行うことも出来ます。
その上で、学力が生徒がついたら、経済的な負担を考えることなく、上級学校に進学できるような手段を政府は考えられないものだろうか。中学から有名私立に通っている自分たちの子弟さえよければいいのだとでもいうのか。教育力が下がれば、世間が大騒ぎをするPISAの標準偏差は大きくなり、平均点は下がるでしょう。
格差社会のシステムを維持するために、学校はあるのではない。教育の目的とは、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」(教育基本法1条)することでしょう。
この目的さえも、保護者の経済力によって左右されるというのはあまりにも悲しすぎる。管子にもあるように、教育は百年の計です。裏を返せば、数年はごまかしがきくということかもしれないけど…(苦笑)
国家百年の計の基礎固めは、やはり授業。授業といっても、授業の50分だけではなく、それを生徒が受け入れていくための広い意味での準備も含めての授業です。そう自分に言い聞かせて、授業の準備をしていきます。。。
相変わらずまとまりませんなぁ、この話題になると![]()














倫太郎さん、またまたよい記事をありがとうございました。
私も関連記事を書きました。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/05/make-some-noise-link-and-vote.html
Posted by: 柳瀬陽介 | May 14, 2008 at 07:06 PM
☆柳瀬陽介さま
コメントありがとうございます。リンク先を拝見しました。Make Some Noise,
Link and Vote.という実践はすてきですね。日本のどこにいても、Linkできるネットは大きな武器です。少しでも多くの仲間から、Linkしてもいいと思ってもらえるような実践と記事を心がけたいと思っています。
オフ会を楽しみにしております。現在、6名の参加者がおられます。
Posted by: 倫太郎 | May 14, 2008 at 09:40 PM
最近この国は、ほんとうに教育にお金をだしてくれないことを実感しています。
日本学生支援機構の無利子の奨学金の予約は、昨年4人に1人しか、採用にならなかったようです。
国民生活金融公庫総合研究所の調査によれば、年収200万円以上400万円未満の家庭では、在学費用(子供の教育費)が年収に占める割合が、54.3%でした。
道を作るより、人作りにお金をだして欲しいと思うのは、都会に住む我々のエゴなのでしょうか。
コメントが長くなってすみませんm(_ _)m。
Posted by: mikamama | May 14, 2008 at 10:35 PM
☆mikamamaさま
コメントありがとうございます。
大学予約奨学金の第1種は4人に1人ですか。。。厳しいですね。少子化のいちばんの対策は、誰もが安心して子どもを育てられる環境があることではないでしょうか。
エゴというよりも、教員としての率直な感想だと私は思います。
Posted by: 倫太郎 | May 14, 2008 at 11:10 PM
倫太郎さん。
この記事を読んで、買い物に街まで出かけて『週刊東洋経済』買ってきました。心が痛いです。拙ブログでも記事にしました。お目汚し下さい。
Posted by: tmrowing | May 15, 2008 at 04:46 AM
☆tmrowingさま
コメントありがとうございます。
ページ数と内容とともに、「特集」という名前がピッタリな記事でした。記事にもあったように、今まで表に出ることはタブーとされていたことが、数字として表されているので、実感が確信になりました。
Posted by: 倫太郎 | May 15, 2008 at 05:56 AM
倫太郎さま
度重なるコメント、失礼します。
去年は、高3の担任をしていたので、進路選択のことでは、心が痛む思い出があります。でも、1番辛かったのは、生徒本人です。
まだ、本屋さんに行く暇がなく『東洋経済』は手にとっていません。この仕事についている限り、きちんと事実に向き合おうと思っています。特集のご紹介ありがとうございました。
Posted by: mikamama | May 15, 2008 at 08:47 PM
☆mikamamaさま
ただ、大変なときだからこそ、悲壮感は避けたいなぁと思っています。
コメントは何度でも歓迎です。反応がないときは寂しいですから
向き合うと、自分の無力感を感じてしまうこともありますけど、まずは向き合って、声を上げることから全てが始まりますもんね
Posted by: 倫太郎 | May 15, 2008 at 09:33 PM
倫太郎様
そうですね。問題が大きすぎてしまって、時には、無力感に襲われそうになります(>_<)。
最近、Prominence 英語Ⅱ(東書)の教科書で、ワンガリ・マータイさんの語っているハチドリの話を知りました(もうご存じかもしれませんが)。You tubeにも彼女がこの話を語っている映像があります。
諦めることなく「自分ができることをする」ことが大切だと改めて教えてもらったように思います。大変なことが起きている今だからこそ、重くなりすぎず、軽やかに、生きたいものだなあと思います。それでは、また!
Posted by: mikamama | May 17, 2008 at 09:26 PM
☆mikamamaさま
自分の出来ることを行おうと、辛いときには自分に言い聞かせています。(この頃、その回数が増えたかなぁ;苦笑)
イライラしても1日、前向きに過ごしても1日ですもんね。
Posted by: 倫太郎 | May 18, 2008 at 08:50 AM