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2007/05/31

文法は教えられるか?②-2

前回のブログで誤解を受けないように。

私は発見学習に対しては否定的です。ですから、新規の文法事項を発見させた方が良いといっているわけではありません。

新出事項が含まれている英文を音読
 → 生徒はよく分からないが音読 

その新出事項を説明
 → よく分からなかったことを納得する

最初の英文を音読(筆写)
 → 納得が理解に深まって定着

同じ文法項目を含んだ英文の学習

というつもりで書きました。音読や筆写を経ないで、文法のドリル学習をしていても定着しないのではないかなぁと私は思っています。時流に乗って、最初からコミュニケーション活動という名目で、この部分をおろそかにしてはいけないでしょう。いわば、基礎体力作りなのですから。

これは初期の学習者(初期の学習が必要な学習者)にとっては有効ですが、一定の力(中学2年程度か?)がついてきたら、もう少し工夫が必要だと考えています。

2007/05/29

文法は教えられるか?②

 ブログではなく、サイトで「画像」「音声」「意味」の話を書きました。私たちが物事(言語)を認知するときに、最初は画像として認知をし、次に音声、そして最後に意味として認知をしていくということです。

 基本的にはこの考え方で問題はないのですが、このごろ考え方を少し変えました。確かに、学習者が単語(文・フレーズも含めて)を見るときは最初は画像として捕らえる。最終的な目的はそれを意味として認知をすることです。このとき、音声はその一里塚としてだけ捕らえればいいのかといえば、そう単純でもないように思われます。

 積極的な学習者が新しい文法や構文を学んだとき、その文法なり構文なりは、認知のレベルは完全な意味とはなっていません。リスニングをしたり、ライティングをしたりしたときには、スムーズには聞き取れなかったり、書くことはできないでしょう。それを、リスニングをして「直聴直解」したり、スラスラとライティングができるようになる、つまり意味として完全に認知ができるようになるために、音読(筆写)が大切になります。これは、國弘正雄先生も主張されているところです。

 また、画像→音声→意味として流れもあります。これは、消極的な学習者に当てはまります。画像→意味とダイレクトに説明するためには、文法的な説明がどうしても必要になります。昨日のブログに書いたbe動詞の説明のようなものが必要になります。

 しかし、消極的な学習者がこれを聞いて、理解をして、勉強しようと思うでしょうか?

 おとなしい生徒はノートには写すが理解しない。ヤンチャな生徒は携帯で遊んだり、おしゃべりが始まったりします。哲学を学ぶときに、最初からデカルト的思考とかいわれても、引いてしまうのと同じです、私は、ですが(^^;; 

 それよりも、be動詞が含まれる例文を何度も音読したり、筆写させたらどうでしょうか? 文法的な理屈は後回しにして、とりあえずその文を音読させる。筆写させる。遊び的な要素を入れるなら、プラスの意味の形容詞を集めて、Tadashi is kind.のようにいくつか英文を作らせる。それを十分に行ってから、文法的な説明を与えていく。文法から教えるという演繹的な説明ではなく、まずは音声から入り、それから文法の説明に入っていくという帰納的な説明の方がよほどいいのではないでしょうか。

 こう書くと、「うちの生徒は読まない」という先生がいるかもしれません。確かに、読まない生徒もいるかもしれないけど、そういう生徒が多数の学校だけではないでしょう。そういう雰囲気があるなら、グループ毎にして生徒の学習の意識を変えてもいいし、時には音読するときは立たせてもいい。工夫をすることで、声を出すようになってきます。(これは、1年生のときからの習慣が大切になってくるでしょうが)

2007/05/28

文法は教えられるのか?①

 文法は教えられるのでしょうか? 「当然だよ」という人も多いのかもしれませんが、だったらどうしてマスターできない生徒がこれほどに多いのでしょうか? その理由を考えた先に、いわゆる「底辺校」(進路多様校)での指導のヒントがあるのではないでしょうか。

 現在は休止しているtmさんのブログに、「我々英語教員は、文法を教えるのが下手なのだ」(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20061023)と読んだときには実感として分からなかったが、この頃、それを強く感じるようになりました。

 誤解しないで下さいね。私は文法を学ばなくていい、とはいっていません。絶対に知っていた方がいい。マスターした方がいい。それは当然です。
 しかし、いかにマスターさせるかをもう少し、いやもっと考えた方がいいのではないか。自分たちが学んだ方法、自分たちが分かりやすいと思う方法で教えようとして、「生徒が勉強しないなぁ」と嘆くのであれば、やり方を変えてみても良いのではないか、生徒との人間関係も含めて、アプローチ方法を変えてみたらどうだろうか、思うのです。「英語に興味がある」「どうしても英語ができるようになりたい」という、理想的な学習者などかなりの少数派です。それとは真逆で「英語に興味がない」「勉強したいとは思わない」という生徒に、どうやって学習を促し、どうやって文法をマスターさせるかを考えてみたらどうだろうか、という提案です。

 例えばbe動詞。英語にコンプレックスを持っている生徒=消極的学習者にどうやって教えますか?対象を高校生として考えてみます。

 「be動詞にはam / are / isと変化します。amは主語が一人称の I 、つまり自分の時。areは主語が二人称のyou, 相手の時。isは主語がhe, she, itと三人称、かつ単数の時。です。さて、次の問題をやってみようか」といって、

  I (     ) Tom.  You (    ) kind.  He (     ) American.

「この(     )に入る適切なbe動詞を入れてみよう」と指示したとして、いったいどれだけの生徒が理解し、正解が導けるのでしょうか。高校1年生で、もう一度、やり直そうと「かすかなやる気」の芽が出ていたとしても、これではその芽が隠れてしまいます。肥料(勇気づけ)を与え、適切な環境(授業=指導方法)でその芽を育てていくにはどうすればいいのか。前者に関しては、先生の一人一人のキャラクターしだいでしょう。ですが、後者に関しては、もう少し研究をされても良いのではないか、と思います。

ちょっと話がそれてしまいましたが、指導方法をもう少し、次に考えていきます。って、なんかエラそうだなぁ、、この書き方(苦笑)

2007/05/27

やっぱりロシアだ!

 日本ダービーはウオッカでした。おめでとうございます。白鵬にかけてホーオーを中心に考えた人もいたのかもしれませんが、あの人が応援しちゃねぇ。。。運も逃げてしまうでしょう。競馬では、露骨な「やらせ」なんてできませんから。

 ようやく復活。無理はダメですね、やっぱり。「自分だけは大丈夫だ」と思うことの危うさを経験した経験が今回は生きました。これからは、ブログも復活できそうです。

 昨日が保護者総会で勤務日だったため、明日は休み。

2007/05/19

my previous students

 卒業生から同窓会のお知らせ。うれしいものですね、こちらの状況を分かっているわけでもないのでしょうけど、いまでも連絡がもらえるとはうれしい、というのがホンネです。相変わらず彼も野球を頑張っているようで、6月に会えることを楽しみにしています。

 ESSの生徒もかなり体力がついてきたので、リスニング中心に行い始めました。「速読速聴・英単語 Basic 2200」を使用して少人数で学習。リスニング→内容を何でも構わないので日本語で答えさせる。答えたときには、ピント外れでも「そうそう!」と受け入れて、その答えを強引に正解の方向に持っていきます。
 その後、再びリスニングをして、単語でもフレーズでも構わないので、今度は英語で。出てきた単語をリピート、フレーズをリピート、チャンクでリピート、そしてセンテンスでリピート。全てのセンテンスがいえるようになるまでこの作業をくり返し。難しい単語が入っていたときには、ALTに説明をしてもらう。(「相手を受け入れる」という意味では、英語の教員こそ、カウンセリングマインドを学んだ方がいいか;笑)
 その後、英文(かその一部)が答えとなるような質問を与え、生徒は答える。そして初めてテキストを見て、音読 → オーバーラッピング → シャドーイング → オーバーラッピング → シャドーイング。テンポを大切にして、3~4回繰り返す。
 時間的に1時間。終わってから、生徒も心地のよい疲労が感じていたようです。少人数だからこそできたのかもしれませんが、やろうと思うとできることもあります。これを、どうやって授業で取り入れていこうかな。

 「コーチ・カーター」のDVDを見ました。名作。部活等での特待制度についていろいろと議論があるようだが、どちらの立場にも見て欲しいなぁ。部活動を続けるためには、成績を○○以上取らなければいけない、という制度がアメリカにはあるのですね。1500円ですから、amazonなら送料無料ですし、いかがでしょうか?
 コーチのカーターがリッチモンド高校のバスケットボールの部員に対して、「君たちはバスケットをする体力がない」といって最初に体力作りを行います。これって英語と似ていませんか? 「リスニングのストラテジー」「リーディングのストラテジー」など色々なテクニックがあるようですが、そのストラテジーを使うための「基礎体力」とは何なのか? どのように作っていくのか? どのようにその気にさせるのか? などなど。
 生徒に「勉強した!=分かった!」と思わせることは大切です。それが自信につながり、学ぼうという気になってくるものです。文字にすると簡単なんですけど、実践するとなると、体力と気力が必要なことが、いちばんの課題なのですが。

2007/05/10

教育実習の下準備

 2年生が始まってようやく1ヶ月。新しい職場に移った先生方にとっても1ヶ月。徐々に、慣れてきた頃でしょうか。

 英語Ⅱの授業も徐々にスピードアップしてきました。今日は教育実習の事前指導で卒業生のY君が来ていたので、彼も授業見学を。

 英語Ⅱで行うか、OCⅠで行うか迷っていたのですが、今年は久しぶりにウォーリーシリーズを使っています。絵の中の登場人物を英語で説明して、それを生徒が聞き取り、その人物を探すという活動です。"He is running along the river."と進行形を使ったり、"He has just shot an arrow."と現在完了を使ったりと、いくつかの文法事項を織り交ぜて、説明していきます。

 見ていて絵が楽しいので、生徒も積極的に探します。相変わらずのグループ活動なので、お互いに「この人? あの人?」と話し合っています。分からない単語をお互いに教えあったり、「こう英語で説明したから」と話し合ったりとしています。

 これからは、表現集を作って生徒に提示して、それを見ながら生徒がペアになって問題を出し合うことができればいちばんですね。

 教科書に入ってからは、こちらもいつものグループ学習。分詞構文がターゲットになっているので、そのセンテンスをグループの中で日本語にさせてみました。和訳に対する批判がありますが、授業の活動の中で、友人同士で1つの英文を和訳することは、その文の理解にとても大きな意味がありますね。
 Feeling that Korean is not as easy as you say, I will study hard.(ExceedⅡ)
という文だったのですが、"I will study hard"にこだわっていたグループには驚きました。"will"をどう訳すか、"hard"をどう訳すかと真剣に話していました。

 そのあと、ofが出てきた英文があったので、いつもの「A of BはBのA」と呪文のように唱えて生徒は英文で確認。全体が終わってから、全体で立ち音読。そのあと、本文の筆写。

 今日の授業は、もうすぐ教育実習に来る卒業生のY君の事前指導も兼ねていました。そのY君からは、「生徒に積極性が見られますね」と感想を言われました。来た日から授業をしてもらうつもりですので、今のうちから考えておいてください、Y君。

2007/05/03

そうだ、桃太郎から学ぶんだ!

 「異文化理解」は英語教育の1つのキーワード。学習指導要領にも必ず出てくることばです。「他者を理解する」ことは、確かに必要なことだろう。しかし、私自身も含めて、「異文化理解」「他者理解」ってどこまで本当に理解されているのだろうか?

 河合隼雄氏によれば、昔話の中にその国民性が描かれているとのこと。そう考えると、日本の昔話には「相手を殺す」という話が出てこない。桃太郎を例に挙げる。悪さをする鬼(これも、悪さをするけど、村人を殺しはしない)を退治に行く桃太郎は、お供に犬や猿、キジをつれて鬼ヶ島に行く。そこで、お供と協力して鬼を懲らしめる。そして、鬼は改心して「もう二度と悪さはしません」といい、桃太郎は財宝を持って村に帰る。(よくいわれる、「ご恩と奉公」や犬猿キジの象徴は脇に置いておく)

 一方、西洋の昔話は少し違う。例えば、「3匹のヤギのガラガラドン」というノルウェーの昔話。3匹のヤギが橋の向こうの牧草を食べに行くために橋を渡っていくと、その橋の下からトロルという化け物が「俺の橋をカタコト音を黙って通るのは誰だ」という。1,2匹目のヤギは「あとからもっと大きなヤギがやってくるからボクは食べないで下さい」といい、その場を通る。そして、最後にやってきた3匹目のヤギは、その力でトロルを八つ裂きにしてしまう。物語は、「3匹のヤギは、美味しく牧草を食べました」で話が終わる。(これも冷静に考えてみると、トロルは本当に悪いんだろうか? 橋の持ち主がトロルだとしたら、悪いのはヤギではないだろうか?)

 「桃太郎」から、「みんな仲良く」という文化が日本にあることが分かる。悪人も改心する。ある意味で超極悪人の「花咲じじい」に出てくるじいさんだって、死罪にはならず、牢屋に入れられるだけ。
 一方、西洋の昔話には「死」がよく出てくる。「眠れる森の美女」だって、13番目の魔女に与えられたものは「死」であった。

 「死」の意味するものは、いろいろな解釈もある。日本では死は悪いことと考えられているから、葬儀に参列するとお清めの塩を与えられる。一方英語では、死ぬことは"join the mojority"と「多数派に入る」ということになる(って、國弘先生の受け売りだけど;笑)。それはともかく、「異文化理解」をいうのであれば、自分たちの文化に対するアイデンティティが大切になってくるのではないだろうか? ネオコン的な距離感で文化に対するアイデンティティと言っているのではなく、日本という国土に過ごしている市民の一人というそれで、アイデンティティというそれで書いている。『三丁目の夕日』に郷愁を感じる人が多いのは、昭和30年代という時代そのものに対してではなく、日本的文化のアイデンティティに対する郷愁ではないのだろうか。

 桃太郎は鬼からの財宝を持って帰ってきて、「みんな仲良く」暮らしていく。ある意味、「内」という範囲内の相互扶助的な文化がある。それがこの頃は、どうなっているのだろうか? 

 話は変わり、教育のニュースを読んでいて、思ったこと。

 今の教育の持つ閉塞感を考えたとき、本当に役に立つなら、能力主義でも、免許の更新でも、校長の権限強化でもなんでも受け入れたい。しかし、それで私は状況が良くなるとは思えない。OA化が進めばペーパレスになると言われていたけど、本当にペーパレスになりましたか? 「Aになれば、Bとなる」という前提でAになるように話が進み、その結果Bにならず、想像もしなかったCというヒドイ結果になったとしても、Aは続いていく。
 あえて海外から学ぶというのであれば、PISA2003でトップの成績であったフィンランドから学ぶなら分かるが、日本よりも順位が低いイギリスをモデルとして考える人がいるのかもよく分からない。

2007/05/02

まじっすか??

 GWのはざま。どの先生方も疲れも出てきています。この頃の教育界の志気の低さはなんでだろうか?

 そんな時に、とある落語家の脱税のニュース。所得の申告を隠したり、申告漏れも含めてその金額たるや1億円を超すとのこと。落語の世界ってこういうことがあるの? なんだか言い訳を聞いていると、落語の世界ってこういうことがあるんだね。でも、他の落語家はなんて思っているんだろうか? 彼の父親は、向こう側から「どうもすいません!」っていっているんだろうか?

 と思っていると、教育再生会議という日本のこれからの教育を考えて下さる会議の議事録でこんなことを言う人がおられた。

(海老名香葉子委員)
  子どもたちに学校教育だけはしっかり受けさせたいと思う。今は、親孝行という言葉が死語になりつつある。「孝心は情の原点」である。孝行しながら育った子が親になればいい子が育つであろう。親孝行はしても嬉し、されても嬉し、美しいものである。学校教育以前に、家庭での教育、孝心をもつ子を育てよう。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai1/1gijiyoushi.pdf

 この海老名香葉子センセイとは、件の落語家の母親ではないのか? 確か、道徳教育も推進されていたような・・・?  
 確かに親と子どもとの間には、子どもが成人していれば、別個の人格として考えてもいいとは思う。しかし、他人に対して親孝行を求めるのであれば、まずは納税の義務すら果たせない自分の子どもを教育してから、発言されたらどうだろうか?

 現場にいて、教育の世界の抱える問題は十分に理解してるし、課題があることも重々承知している。しかし、自分のことは棚に上げて、教員や生徒にきれい事をいうことをいう人があまりにも有識者のセンセイに多くないだろうか? 
 社会的に責任を持つ立場の人であれば、責任は増すし、行動にも制約は出てくる。教壇に立った人は、それが過去の講師であった人でも、「元教師」として報じられる。「小さな犯罪」でも実名で報道されることもある。それは、教師の持つ社会的な立場が原因だろう。
 学校でいくら道徳教育を充実させたとしても、閣僚である政治家がナントカ還元水で数千万も使い、有識者のセンセイが身内を棚に上げて、きれい事を言っているようでは、スバらしい答申を拝受したところで、どんな説得力があるのだろうか?
 「赤信号では横断歩道を渡っては行けません」と言っている脇で、赤信号を無視して渡っているような現状。そういう有識者の先生方に私たちの教育は再生をお願いしなければいけないのでしょうか?

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