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2006/11/04

「それ」を知らない人に、どう「それ」を教えるか?

 地域ネットワークの1月の講師、大河原美以先生の「怒りをコントロールできない子の理解と援助」を読みました。なるほど、という内容。高校だと少ないというか、こういう子どもたちは違う形の「症状」となっているような気もしつつ、高校の「底辺校」「進路多様校」「課題集中校」の先生方はこれを読み、授業にも十分に活かせるのではないか、という感想を持ちました。

 「(思いやりを知らない生徒に)思いやりを持ちなさい」という教師がついつい口にしてしまう言葉の無責任さを私たちはもう一度、考え直してもいいのでしょう。高校だとよく聞くことが、「しっかりと考えてみよう」
 それを授業に適用するときに、「しっかりと学習しなさい」「自宅で2時間は勉強しなさい」という言葉にも通じるのではないでしょうか? 学習しようと思っても、「どのように学習をするか」「何を学習するのか」というhowとwhatを理解していないのです。もちろん、こういわれた生徒は「分かりました」という態度をとるもの。それは当然でしょう。だって、教師の言っていることは、間違っていないことですから。
 しかし、先ほどの「思いやり」と同じように、言われてもどのようにしていいか分からないから、結局はそのままで、学習をしません。すると教師側は、「あぁ、言ったのになぁ。どうして勉強してくれないんだろう」と落胆したり、偽悪的になったりするものです。これは、両者にとって不幸せでしょ?

 そうではなく、具体的に「この文を覚えておこう」とか、「15ページを3回音読してこよう」というように具体的に生徒が分かる言葉で話した方がいい。発音が上手くできないなら、発音の練習でもいい。この「具体的な指示」は「勉強しなさい」「考えなさい」というよりも、難しいものです。普段の生徒を見ていなければいけませんから。でも、学習習慣のない生徒に対しては、こういう指示こそ必要なのではないかなぁと思います。「勉強しなさい」という抽象的なことばで、逃げてはいませんか?(って、自分への戒めです)
 ただこうは書くものの、教員の多くは、その教科が得意だった人が殆どでしょう。その教員を目指す、教員養成学部の学生も同じでしょう。そこで、大学で教科教育と教育心理とをリンクさせた演習を作ってみたらどうでしょうか? 3種類の演習にして、「進学校向け演習」「中堅校向け演習」「底辺校向け演習」のように3つを必修として、学生はそれぞれを履修する。そうすると、学生は「自分の知らない世界」を経験し、教える側も、「英語の授業は英語でしなければいけない。私ですか?もちろん、経験はありますよ、あ、付属中学校でですけど」なんていう一昔前のような教授サマは通用しなくなるわけです。
 都心部の公立高校は中堅校以下の方が多いのですから、こういう勉強をしておいた方が将来、教員を目指す学生にとってもいいとは思うんですけど。いかがなものでしょうか? 教育基本法を変える前に、教育実習の方法や養成のシステムを変えた方が、いいと思うんですけどねぇ。(こう書くと怒られるかもしれないが、教師が団体として政治にコミットするべきではないし、政治が教育を「政争の具」にするべきでもないと私は思います。)

 まぁ、こうして書いていますが、私の生徒だって、具体的に指示をしても、勉強してくる生徒は少数です。1/3程度いるかいないか、程度に過ぎません。しかし、そのせいぜい1/3の生徒を大切にすること、そしてせめて残りの生徒は、英語に対するネガティブな気持ちを少しでも減らしていきたいものです。
 時には(いつも?;笑)、強制的に勉強させることはあるけれど、なんとなく分かったなぁ、という気持ちをもつことだけだっていいのではないかなぁ。多くを求めすぎてしまうと、疲れてしまうのですし。ただ、教育の場にはいろいろと「両者の不幸」が存在するような気がします。うーん、奥歯にものが詰まっていますか?(苦笑)

 今日は今から町内会の催しの秋祭り。続きはまた夜にでも。

(一部改変)

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