今年もまた1年間が始まります。早く完全復活したいものです。ホントに。
「子ども手当」を巡って色々な意見が飛び交っていますが、子どもの教育費と(英語)教師のモチベーションについて考えてみたいと思っています。
昨年の4月に異動して感じたギャップに予備校や塾に通っている生徒の割合があります。実際に通っている生徒は多いせいもあり、通学してくる生徒にクリアファイルや消しゴムなどを渡す「営業」はよく見る光景です。今まで、見たことのなかった光景です。家庭の経済力と学力との相関関係については、実感できるときでもあります。
基礎学力の徹底(学力向上)に反対する人はいないでしょう。学力がついて、成績が上がれば生徒や教師、保護者など誰しもが喜びますし、自信につながります。確かにそうなのですが、学力がついても「出口」のところで解決の出来ない課題に直面したことのある先生も少なくないでしょう。もし今から書くことに良いアイディアがある方がおられたら、ぜひとも教えて欲しいものです。(ちょっと攻撃的かな;笑)
生徒の学力がついたとします。偏差値が40だったのが50になったとか、英検で2級が取れたとか、TOEICのスコアが伸びたとか、なんでもいいのです。とにかく、学力がついたとしましょう。そうなれば、生徒も学ぶのが面白いし、教師も教えるのが面白くなってきます。保護者も保護者面談や三者面談でウキウキと来校できます。
そして、1年生が2年生となり、3年生になり、進路を迎えたときにその壁が現れます。そう、大学にかかる費用です。合格が決まった直後に数十~百数十万円。大学4年間のトータルで400~600万程度がかかります。成績がある程度良くなって、大学に入れそうになったとしても、金銭面で大きな壁があるのです。
家庭にそこまでの費用が払えないとき、皆さんはどうされますか。奨学金をすすめますが、日本の奨学金はご存じのように借金です。「アルバイトと奨学金」とすすめますが、アルバイトを多めにすれば大学での勉強が疎かになり、奨学金を多めに借りれば卒業時に多大の借金となります。大卒の22歳の青年が400万円の借金を返すのは至難の業です。それでも奨学金をすすめますか? 返せなかったら金融機関のブラックリストに載っけるぞといっている、理事の2人が文部科学省からの天下りである日本学生支援機構の奨学金を迷いもなしにすすめられますか。
「だったら国立に行け」という声もありますが、国立に入る地理的条件、成績的条件など満たせない場合もあります。いや、その方が多いでしょう。ちなみに、国立に通ったとしても4年間で300万弱がかかります。
そのため、進学を断念する羽目になったり、進学してからもお金の問題で勉強に集中できなかったりする学生がいるのです。こういう経験をしたことのある先生も少なくないはずです。私も何度も、どうすればいいのか分からない時間を過ごしました。
夢を目指して勉強に励むって、こういうときに空虚なことばになりませんか。
こんな例もあります。
ある生徒が、昔からの夢だった保育士を目指していました。しかし、この不景気で父親がリストラにあい、家計は母親のパートと祖母の年金で生計を立てていました。成績が優秀だったその生徒は短大への指定校推薦が取れそうなものの、経済的な問題で進学を考えていました。担任は、生徒が必要とする進学のための資金と、保育士の給与を考え、就職という選択肢も与えました。自分の夢を目指して、勉強を重ねてきた生徒に就職も考えさせるということは、担任としては辛いことだったようです。結局、その生徒はとあるスーパーに就職をしました。
学力をつけるという目標があったにしても、そこから先の部分は、経済力のあるなしで、色々なことが変わってきます。学力をつけ、名の通った大学に入学させるという物差しで対応できない現実もあり、そういう物差しが多くある環境の中では、世の中でいわれている英語教育(A)とは違う英語教育(B)があるのです。(A)が本流で(B)が亜流だという感覚を持つ人がいれば、それは教師としてあまりにもモノを知らないだけです。(A)には(A)の英語教育があるように、(B)には(B)の英語教育があるのです。でも、あまり日の当たることはないだろうけどね。もちろん、先ほどの生徒たち、アルバイトを多く行いながら大学に通ったり、保育士を希望していたのにスーパーに就職したりしたことが、人生にとってプラスになることもあるでしょうし、実際にそうなって欲しいと願っています。しかし、教員として出来ることと出来ないことの壁の前で無力感に苛まれ、授業の充実=学力の向上のむなしさを感じてしまうこともあるのです。これって、甘えとはいえないでしょう。
上級学校で必要とされる金額は、高校で10円単位で節約するだけではどうしようもない金額なのです。それほど高いのです。
生徒の学力が伸びた、そして上級学校にすすみ自分の希望したことを学習したり、希望していた夢を目指したり出来る足場が出来た。しかし、経済的な問題で進学しても辛い問題が目に見えていたり、時には進学を断念せざるを得ない。この「矛盾」を抱えていくことは、辛いことですが、捨ててはいけない。捨てたときに、教員のモチベーションは下がるし、それを見た生徒は辛い思いをします。
私は以上のような経験や体験で、民主党が進めている給付型の奨学金の検討が、実現されることを心から願っています。
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